campagnolo 12スピード発売
5月7日より予約受付開始
今から91年も前、1927年のことです。この時イタリア北東部で行われていたロードレースは、歴戦のプロフェッショナルライダーにとっても困難を極めるものでした。極寒のレースは選手から体温と体力を奪い、ドロミテ山脈のクローチェダウネ峠にさしかかる頃には、標高が上がるにつれ銀世界は深まるばかりだったと言います。そしてやっとの思いで峠の頂上に漕ぎつけた選手は、ダブルコグのハブを持った車輪の向きを入れ替えて、危険な下りに臨みました。ここである選手は寒さで感覚を失った手がウイングナットを回すことができず、勝機を逃すことになります。この経験を基に生み出されたものがクイックリリース。そう、ある選手とはカンパニョーロの創業者、トゥーリオ・カンパニョーロ、その人でした。雪のクローチェダウネ峠から91年後、カンパニョーロはロード用12速コンポーネントをデビューさせました。
今回のモデルチェンジで 12速化されるのは SUPER RECORD と RECORD で、ともに機械変速式のリムブレーキタイプとディスクブレーキタイプです。CHORUS 以下のグレードに変更はなく、来期も継続となります。12スピード化のメリットは、仕様頻度の高いギア同士において、ギア比の差を少なくさせたことです。これによりシフトショックが低減し脚の負担も軽減されます。フルモデルチェンジの場合、気になるところは従来品との互換性ですが、12スピードのカセットは 9~11スピードのフリーボディと互換性があり、既存のフレームとホイールで 12速化が可能なことは大きなメリットと言えます。
各パーツには他にも書ききれないほどの特徴や性能がありますが、このグループセットからは、得も言われぬ、例えて言うならば色香のようなものを感じます。工業製品として完成されたデザインであることはもちろん、それぞれのパーツが織りなす曲線や曲面が魅力的で、それがグループセットとしてロードバイクに組みつけられたときに放たれる存在感が物凄いのです。むろん変速性能や軽量など機能的には関係のないことですが、でもやっぱり「カンパニョーロって美しい」と思わせる大事なことだと思います。そしてこの美しさはカンパニョーロだけの機能であり、このグループセットは機能美を持ち合わせている、そう思わざるを得ないのです。
雪のクローチェダウネ峠から91年を経てカンパニョーロが到達した新たなベンチマーク、12スピードを搭載した最新の SUPER RECORD と RECORD の先行予約です。
まずは見積りからですね。ご使用のフレーム(自転車)をお持ちください、お見積もりさせていただきます。
6~7月入荷予定