私はLOOKとの付き合いは永く、「 KG 」とモデルを表記していた20年前のカーボンフレームを発売当初からである。
LOOK社(フランス)は、世界で最初にカーボンバイクを作り出したメーカーさんである。今は当たり前のごとく使っている「ビンディングペダル」もこのLOOK社が開発したものである事は有名である。
LOOK社は、シートマストが一体になったフレームやステムがトップチューブと連なるデザインを世に送り出したりと、現在のサイクル業界に多大な影響をもたらし続けてきた。各メーカーの新しいデザインはLOOKのものをヒントに作り始められていると言って過言ではない。
これは、カーボンの特性を知り尽くしているLOOKだからこそなし得るものだろう。カーボンも何層目にどんな特徴を持つカーボンをラッピングしていけばよいかなど、先駆者ならではの技術が詰め込まれているからである。
そして満を持して2018モデルで投入されたのが『785 HUEZ RS』 フレームセット ¥380000(税抜)
フレーム重量(Sサイズ)730g + フォーク重量280g の至ってノーマルなフレームが、785 HUEZ RSの特徴と言って良い。
この手の軽量フレームはよく目にするかも知れないが、LOOK社は乗り味が違う。UHM60t、HM46t、IM30t、HM24tとフレームの各所によって使うカーボン素材を細かく分け、他社とは一味違うヒルクライムバイクに仕上がっている。更に上を目指すヒルクライマーにオススメだ。
先進的エアロバイクの代名詞と言われる795はエアロダイナミクスに特化したフレームだが、この785は余分な物を全て削り落とした結果としてリリースされたのだろう。
パリッとした乗り感と軽さは、ヒルクライマーなら誰しも必要要素として求めるところである。きちんと開発をしているメーカーが、至ってノーマルなフレームを出してくるのは、その時代その時代の求められる要素が凝縮されたフレームがリリースされることが多い。
この『785 HUEZ RS』もヒルクライム全盛の時代にあった軽量バイクである事は間違いない。
そして、LOOKと言えばこれを抜きには語れない『795 LIGHT RS』フレームセット ¥620000(税抜)
ヘッド周りに特徴のある795もリリースされて数年が経ち、このスタイルも違和感がなくなってきているのと、この技術を各メーカーさんがヒントに似たようなフレームを続々と出してきている。
『795 LIGHT RS』の真価は店頭で説明させてもらうとして、大きな変化は「より扱いやすい」工夫が随所に見られることであろう。
まずヘッドリテーナーだが、上下とも1-1/2サイズに変更されている。これはヘッドチューブの剛性だけでサイジングされていたものに、更にエアロダイナミクスの要素が含まれてのサイズ変更は今後他社も追随するであろう事は容易に予想される。
この事により、ケーブルの取り回しが容易になり、エアロフレーム独特の厳しいケーブルの取り回しがなくなる結果となった。変速はよりスムーズに、リムブレーキのニギリ感がより軽くなっている。なので、メカニカルシフトユーザーの方にもストレスなく使ってもらえる。
リアブレーキも左右どちらにも対応出来るようにトップチューブの左右に穴あけ加されているので、よりスッキリし抵抗の無い取り回しで組み付けれるのも嬉しい。
新しいハンドルは、ブレーキのアジャストボルトが内蔵される形になっており、乗車しながらでも調整が可能になっている。
ステム横は、エアロバーのクランプも出来るようにスペースを空けてくれているので、トライアスロン系の使い方も よりしやすくなっている。
ステムの手前のトップチューブにDi2のジャンクションAビルドインタイプが入るように改善されている。なので、充電作業もジャンクションを取り出してしなくて済むようになっている。
以前の795はメカニックの技術によって組立の仕上がりにムラが大きかったが、『795 LIGHT RS』は熟成され、容易に組付が出来るようになってる。完成度の高いフレームになり、価格も下がっているので、このフレームは要チェックである事は間違いないですね。