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2024 皆生トライアスロン大会 今年もお手伝い

毎年オフィシャルメカニックとして参加していますが、今年も皆生トライアスロン大会を手伝ってきました。

実働のメカニックは4人。写真上段左からロード全日本選手権のオフィシャルメカニックを務めるベテランメカニック。左から二番目 ホウザン工具のメーカー勤務で工具の開発も務める自転車に精通するメカニック。左から三番目 ロードの世界大会など日本代表に帯同する日本でもトップレベルのメカニック。一番右が私。

毎年の事ながら何とも贅沢なメカニックスタッフ。これだけのスタッフが揃うのは地元ショップのオーナーさんの人脈でしょうね。

他にメカニックチームには、上段右から二番目の皆生トライアスロン大会27回完走実績を持つベテラン選手。下段左から地元ショップのオーナー。トライアスロンU23アジア大会女子優勝(当日はソロ選手として出場)。元オリンピック代表選手 小原工さんの娘さん。U23女子優勝者の母親。選手目線でサポートするにはこれ以上ない面々が揃っています。

土曜日の開会式会場で事前のバイクメンテナンスを行います。

遠方から輸送して調子が悪くなったバイクや輸送後 自分で組み立てでは不安があると言った選手が続々と来られます。中には自分で弄って正規に動かない自転車も・・・。

少しでも良い状態にしてあげないと選手は無駄な力やストレスが増すばかりですからね。自転車のみならず用具のメンテナンスはタイムアップや体力の消耗を抑える重要な準備ですね。

さて、今年の皆生はどうだったでしょうか? いつもの御仁といつもの位置でスタートエリアを見渡します。

昨年は酷暑に襲われ、全体の1/3(300名)がリタイヤになる暑さとの戦いでしたが、今年は梅雨明けが遅れ大会当日は朝から一日中雨。

梅雨前線の影響で、海のうねりは無いものの日野川の水量が増加し、日本海に流れ出している。日本海に向かって右から左(西向き)の潮流が確認されいる。パッと見はスイムの往路は潮流に押されて楽に泳げて、復路は潮流に逆らって泳ぐのでタイム的に落ちる。と判断しがちだが、自然はそんなに簡単ではなかった。

午前7時 今年の皆生出場の1000人が一斉に小雨まじりの皆生の海へスタートしていく。曇天で空と海の境が分かりづらい。

スタート直後のスイムコースは、コースブイを見ていても確かに左に流され気味で潮流は西向きであることが分かるが、しばらくすると様子が一変したようだ。

北向きに流れ出た日野川の雨水が、海の西向きの潮流を堰き止める感じになり、岸から離れた海域では西向きの流れがあるものの、岸に近い海域では日野川が堰き止めたことによって逆向き(東の日野川に向かう方向)に渦を巻くように?日野川の流れ出る水量に引っ張られる流れが発生していた。

陸上監視していたライフセーバーも海上のカヌーやボードが潮流に逆らう流れ(東向き)をしているのを確認していたらしい。

スタートして海上に浮かんでいる選手からこの潮目を判断する事は不可能で、一部の選手は必死で泳いでも全く前に進めない状態になっていたようだ。潮目と言ってもプールの様に仕切られていないオープンウォーターでは、ほとんどの選手が往路も復路も何らかの逆流を感じていたようだ。結果、今年はスイムでタイムアウト・リタイヤする選手が90名近くになった。

ほぼ一割の選手がバイクに進めず、バイク競技に移っても、ウェットな路面でスタート直後からパンクの数が過去一番多かったのと、スリップダウンもここ数年で一番多く擦過傷の選手や右側に転倒してリアエンドを破損して走行不能になる選手が続出となった。当サポートカーの目の前でも選手が転倒するのを目の当たりにした。メカニックの4台の車は鳴りやまない連絡が入りっぱなし。

バイクのトラブルが落ち着きを見せ始めたのは、午後1時ごろ。パラパラと降っていた雨が小康状態になったころ。今年は本当に忙しく2時頃にやっと昼食になった。

昨年は暑さとの戦い。今年は雨との戦い。毎年同じ場所で開催される大会ではあるが、同じ状況でレースが出来ず、選手の対応力を自然が試してくる。それが皆生大会と言っても過言ではない。短い距離のレースであれば何とかなるものも、3種目とも長丁場になれば、それだけ冷静な判断・集中力と体力を必要とする。どれだけ自分をセルフコントロール出来るか。これはスポーツを通じて「人」を成長させるトライアスロンはツールとなるだろう。決して自己顕示欲や私利私欲の為にこのツールを使ってはいけないと思う。

午後3時30分 バイク競技の制限時間。関門に掛かりラン競技に移れなかった選手が幾名帰ってくる。今年は広範囲で多くのサポート業務を行っていて、要請を受けて1時間ほど待っていらした選手もいた。1度にMAX8件の応援要請が溜まるなど本当に申し訳なかったが、出来ればパンク修理は自分で作業できる用品を使って頂きたい。チューブレスレディタイヤで自分では手に負えなくサポートカーの到着を待っていた選手や貼り付けるタイプのタイヤ(チューブラータイヤ)の張替え作業も非常に多かった。

読んで頂いている皆さんもパンクした時のリカバリーだけはご自身で習得しておいて欲しい。

大会当日は八尾監督・小原工さん・小原北斗さんもメカニックスタッフに加わり、総勢12名が皆生のバイクコースのメカニックサポートを行いました。

ポリバケツサイズの70Lのゴミ袋がパンパンになるほどパンクして交換したチューブやタイヤ・・・。こんな年も珍しい。選手同様メカニックサポートチームも毎年違う状況を試されてるかも(笑)

何はともあれ出来る限り選手にはトラブっても完走を目指してもらう。現場対応もこの豪華なメンバーでワイヤー交換・チェーンの破断交換・変速機の交換・落車時のホイールチェンジなど出来る事は何でもやるメカニックサポートチームで毎年サポートしています。

トラブルは無いのが一番です。来年 皆生大会に出場の皆さんはしっかりバイクのメンテナンスをして参加下さいね。それでも困った時は駆けつけますので(^^)/

42回となる皆生大会。完走された選手の皆さんおめでとうございます。また、今年も多くのボランティアの皆さん雨の中ありがとうございました。

たくさんのパワーが溢れる1日だったと思います。また来年もたくさんのパワーを感じにメカニックとして参加しようと思います。

長々とお付き合いありがとうございます。